2025.07.29
2025年京都の賃貸アパート経営に使える補助金【新築・リフォーム別に解説・補助金で賢くコスト削減】
はじめに
アパートの新築や大規模リフォームは、オーナーにとって大きな投資です。しかし、この投資は単にコストがかかるだけでなく、物件の価値を高め、将来的な収益性を向上させるための重要なステップでもあります。こうした質の高い物件づくりを進める上で、国や都道府県が提供している補助金制度は、費用負担を大幅に軽減し、より高性能で魅力的なアパートを実現するための強力な追い風となります。
この記事では、京都府内にアパートを新築するオーナーや、京都府内にあるアパートで大規模リフォームを検討されているオーナーが利用できる、「共同住宅共用部再エネ導入促進事業」や「駐車場・農地等再エネ導入促進事業補助金」など、主な補助金制度を、その内容や対象と合わせてご紹介します。
※2025年7月時点
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国が実施しているアパートの新築、リフォーム時に使える補助金
【国土交通省】子育て支援型共同住宅推進事業
#新築 #リフォーム子育て支援型共同住宅推進事業は、事故防止や防犯対策などの、子どもの安全・安心のために行われる住宅の新築が対象の取り組みです。賃貸オーナーが申請対象となります。
補助率は補助対象事業費の1/10以内です。補助金額の上限は100万円/戸です。また、居住者らの交流を促す施設への上限額は500万円/棟となっています。
同事業ではリフォーム時に使える補助金(賃貸住宅改修型/分譲マンション改修型)も用意されています。
参考:子育て支援型共同住宅サポートセンター - 子育て支援型
【国土交通省・環境省】子育てグリーン住宅支援事業
#新築 #リフォーム子育てグリーン住宅支援事業は、子育て世帯や若い夫婦が、省エネ性能の高い新築住宅を建てたり購入したり、または今住んでいる家を省エネ改修する際に補助金がもらえる取り組みです。
補助額は、GX志向型住宅の新築賃貸住宅においては160万円/戸です。長期優良住宅、ZEH水準住宅もそれぞれ補助されますが、補助額は賃貸住戸の50%までとなってしまいます。
同事業ではリフォーム時に使える補助金も用意されていて、必須工事に該当するリフォーム工事のうち2つ以上のカテゴリーを実施した場合、補助対象となります。
参考:子育てグリーン住宅支援事業【公式】
【国土交通省】長期優良住宅化リフォーム推進事業
#リフォーム長期優良住宅化リフォーム推進事業は、住宅の性能向上を目的としたリフォームや、複数世帯の同居へ対応するためのリフォームに対し、費用の一部が補助される取り組みです。リフォーム工事の施工業者や買取再販業者が申請対象となります(事前に事業者登録が必要です)。
補助額は、リフォーム工事費用とインスペクション等の費用の合計が補助されます。補助限度額は、「認定長期優良住宅型」の場合160万円/戸となります。
引用:事業概要 | 令和7年度長期優良住宅化リフォーム推進事業
長期優良住宅は認定手続きの段階で手間・費用がかかります。認定を受けてからリフォーム開始となるため、余裕を持ってスケジュールを立てることが大切です。
参考:令和7年度長期優良住宅化リフォーム推進事業
【国土交通省】セーフティネット専用住宅改修事業
#リフォーム住宅セーフティネット制度は、住宅に困っている方が安心して暮らせるように、空き家を「セーフティネット住宅」として登録し、活用するためのものです。セーフティネット住宅として登録するにはいくつかの条件がありますが、もし改修が必要な場合でも、その工事費用の一部が国から補助されます。
補助額は専用住宅の整備のために必要な改修工事費用の1/3以内、上限は50万円/戸となっています。
ただし、対象エリアが限られているため、申請する物件が対象エリアにあるのか、確認が必要です。
参考:セーフティネット専用住宅改修事業 | 住宅保証支援機構
【経済産業省】賃貸集合給湯省エネ2025事業
#リフォーム賃貸集合給湯省エネ2025事業は、既存の賃貸マンションで、ヒートポンプ給湯器が設置できない場合でも、小型のエコジョーズなどの省エネ給湯器の導入を進めることを目的とした取り組みです。対象は既存賃貸集合住宅のオーナーです。
対象機器はエコジョーズ・エコフィールです。追い焚き機能がある給湯器の補助額は、7万円/台となっています。
引用:事業概要|賃貸集合給湯省エネ2025事業【公式】
この補助金があれば、小規模な賃貸マンションでもエコジョーズを導入する際の費用負担が減り、より導入しやすくなります。
参考:賃貸集合給湯省エネ2025事業
京都府・市区町村が実施しているアパートの新築、リフォーム時に使える補助金
【京都府】共同住宅共用部再エネ導入促進事業
#新築 #リフォーム京都府は2050年までの温室効果ガス排出実質ゼロを目指し、再生可能エネルギーの導入を推進しています。特に共同住宅は、災害時の防災拠点としての役割も期待されるため、エネルギーの自立化とレジリエンス強化が求められています。
そこで本補助金は、共同住宅の管理組合や所有者が、共用部(エレベーターや空調など)の電力に利用するため、太陽光発電設備と蓄電池を同時に導入する費用を支援します。
補助額は、下記の表を参考にしてください。
引用:共同住宅共用部再エネ導入促進事業/京都府ホームページ
参考:共同住宅共用部再エネ導入促進事業/京都府ホームページ
【京都府】駐車場・農地等再エネ導入促進事業補助金
#新築 #リフォーム京都府は、再生可能エネルギーの導入をさらに加速させるため、これまでの設置が進まなかった駐車場、農地、ため池といった場所での活用を特に推進しています。
本補助金は、上記のような場所への太陽光発電設備の導入費用、およびそれに付帯する蓄電池の導入費用を支援します。
補助額は、下記の表を参考にしてください。
引用:駐車場・農地等再エネ導入促進事業補助金/京都府ホームページ
参考:駐車場・農地等再エネ導入促進事業補助金/京都府ホームページ
【京都市】京都市賃貸住宅における備付家電の買換え・省エネ促進補助金
#リフォーム京都市は、2050年の脱炭素社会実現のため、家庭のエネルギー消費削減を目指しています。特に「学生のまち京都」では、学生から高齢者まで多様な世代が住む賃貸住宅が多く、これらの省エネ化と市民の省エネ住宅への関心向上が重要です。
そこで京都市は、電気代の軽減とCO2排出量削減を目的として、賃貸住宅の所有者が備え付けるエアコンを、省エネ性能の高い機器へ買い替える費用を支援しています。
補助金は、対象経費の3分の1以内で、1戸あたり上限5万円です。
参考:京都市:【賃貸物件オーナーが対象】令和7年度 京都市賃貸住宅における備付家電の買換え・省エネ促進事業補助金
【京都市】京都市雨水浸透ます設置助成金
#リフォーム近年、京都市では集中豪雨による「都市型水害」が深刻な問題となっています。そこで京都市は、雨水の市街地流出を抑えるため、「雨水貯留施設」や「雨水浸透ます」の設置に対し、助成制度を設けています。
雨水浸透ますの補助額は下記のとおりです。
設置工事 | 2万5千円/基 |
取替工事 |
取替工事の費用(上限額:7万円/基) 付帯工事の費用(上限額:3万円/基) |
参考:京都市上下水道局:雨水浸透ます設置助成金制度の申請書及び設置基準
【宇治市】宇治市マンション耐震診断事業費補助金
#その他宇治市は、1981年以前に建てられ、地震時の被害が予測されるマンションを対象に、耐震診断にかかる費用の一部を補助しています。
この補助金は、宇治市の建築物耐震改修促進計画に基づき、マンションの耐震性を向上させ、震災に強いまちづくりを進めることを目的としています。
助成額は、耐震診断費用に対して、3分の2が助成されます。上限額は、1戸あたり2万円、または1棟あたり100万円です。
参考:マンションの耐震診断補助について - 宇治市公式ホームページ
京都の賃貸アパート経営に使える補助金のまとめ
賃貸アパート経営を考える際、初期費用や改修費は大きな課題です。しかし、活用できる補助金制度が存在します。これらの補助金は、経営の負担を軽減し、より魅力的な物件づくりに貢献します。事前に情報を収集し、積極的に活用することで、安定したアパート経営を目指せます。この記事では「共同住宅共用部再エネ導入促進事業」などの一部の補助金をご紹介しました。「もっと補助金の情報を知りたい」「具体的な申請条件なども知りたい」という方はお気軽にお問い合わせください。

スマサテ不動産研究所所長 /
オーナー事業 責任者
土屋 壮史
大手IT企業で新規事業責任者を経て、現在はスマサテにてオーナー版査定事業責任者を務める。 大家の会での公演回数は累計100回以上をこなし、 年間2,000名以上のオーナーの問い合わせを受けている。 また自身も2代目大家として奮闘中。