2025.07.24
2025年東京の賃貸アパート経営に使える補助金【新築・リフォーム別に解説・補助金で賢くコスト削減】
はじめに
アパートの新築や大規模リフォームは、オーナーにとって大きな投資です。しかし、この投資は単にコストがかかるだけでなく、物件の価値を高め、将来的な収益性を向上させるための重要なステップでもあります。こうした質の高い物件づくりを進める上で、国や都道府県が提供している補助金制度は、費用負担を大幅に軽減し、より高性能で魅力的なアパートを実現するための強力な追い風となります。
この記事では、東京都内にアパートを新築するオーナーや、東京都内にあるアパートで大規模リフォームを検討されているオーナーが利用できる、「既存マンション省エネ・再エネ促進事業」や「マンション耐震化促進事業」など、主な補助金制度を、その内容や対象と合わせてご紹介します。
※2025年7月時点
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国が実施しているアパートの新築、リフォーム時に使える補助金
【国土交通省】子育て支援型共同住宅推進事業
#新築 #リフォーム子育て支援型共同住宅推進事業は、事故防止や防犯対策などの、子どもの安全・安心のために行われる住宅の新築が対象の取り組みです。賃貸オーナーが申請対象となります。
補助率は補助対象事業費の1/10以内です。補助金額の上限は100万円/戸です。また、居住者らの交流を促す施設への上限額は500万円/棟となっています。
同事業ではリフォーム時に使える補助金(賃貸住宅改修型/分譲マンション改修型)も用意されています。
参考:子育て支援型共同住宅サポートセンター - 子育て支援型
【国土交通省・環境省】子育てグリーン住宅支援事業
#新築 #リフォーム子育てグリーン住宅支援事業は、子育て世帯や若い夫婦が、省エネ性能の高い新築住宅を建てたり購入したり、または今住んでいる家を省エネ改修する際に補助金がもらえる取り組みです。
補助額は、GX志向型住宅の新築賃貸住宅においては160万円/戸です。長期優良住宅、ZEH水準住宅もそれぞれ補助されますが、補助額は賃貸住戸の50%までとなってしまいます。
同事業ではリフォーム時に使える補助金も用意されていて、必須工事に該当するリフォーム工事のうち2つ以上のカテゴリーを実施した場合、補助対象となります。
参考:子育てグリーン住宅支援事業【公式】
【国土交通省】長期優良住宅化リフォーム推進事業
#リフォーム長期優良住宅化リフォーム推進事業は、住宅の性能向上を目的としたリフォームや、複数世帯の同居へ対応するためのリフォームに対し、費用の一部が補助される取り組みです。リフォーム工事の施工業者や買取再販業者が申請対象となります(事前に事業者登録が必要です)。
補助額は、リフォーム工事費用とインスペクション等の費用の合計が補助されます。補助限度額は、「認定長期優良住宅型」の場合160万円/戸となります。
引用:事業概要 | 令和7年度長期優良住宅化リフォーム推進事業
長期優良住宅は認定手続きの段階で手間・費用がかかります。認定を受けてからリフォーム開始となるため、余裕を持ってスケジュールを立てることが大切です。
参考:令和7年度長期優良住宅化リフォーム推進事業
【国土交通省】セーフティネット専用住宅改修事業
#リフォーム住宅セーフティネット制度は、住宅に困っている方が安心して暮らせるように、空き家を「セーフティネット住宅」として登録し、活用するためのものです。セーフティネット住宅として登録するにはいくつかの条件がありますが、もし改修が必要な場合でも、その工事費用の一部が国から補助されます。
補助額は専用住宅の整備のために必要な改修工事費用の1/3以内、上限は50万円/戸となっています。
ただし、対象エリアが限られているため、申請する物件が対象エリアにあるのか、確認が必要です。
参考:セーフティネット専用住宅改修事業 | 住宅保証支援機構
【経済産業省】賃貸集合給湯省エネ2025事業
#リフォーム賃貸集合給湯省エネ2025事業は、既存の賃貸マンションで、ヒートポンプ給湯器が設置できない場合でも、小型のエコジョーズなどの省エネ給湯器の導入を進めることを目的とした取り組みです。対象は既存賃貸集合住宅のオーナーです。
対象機器はエコジョーズ・エコフィールです。追い焚き機能がある給湯器の補助額は、7万円/台となっています。
引用:事業概要|賃貸集合給湯省エネ2025事業【公式】
この補助金があれば、小規模な賃貸マンションでもエコジョーズを導入する際の費用負担が減り、より導入しやすくなります。
参考:賃貸集合給湯省エネ2025事業
東京都・区が実施しているアパートの新築、リフォーム時に使える補助金
【東京都】東京都既存マンション省エネ・再エネ促進事業
#リフォーム「2050年までに世界のCO2排出実質ゼロ」に貢献する「ゼロエミッション東京」の実現に向け、省エネや再生可能エネルギーの導入を検討する際にかかる計画書の作成費用を補助する制度です。
引用:東京都既存マンション省エネ・再エネ促進事業リーフレット
補助額は全額で、上限額は37万円/棟となっています。
参考:クール・ネット東京 :東京都地球温暖化防止活動推進センター | 「東京都既存マンション省エネ・再エネ促進事業」
【東京都】住宅セーフティネット制度の貸主応援事業
#リフォーム耐震改修、住宅設備改善、見守り機器設置、少額短期保険の4つの補助金が用意されており、各メニューから必要に応じて自由に選択できます。
補助を受けるためには、東京都のセーフティネット住宅「東京ささエール住宅」への住宅の登録が必要となります。セーフティネット住宅へ登録すると、住宅確保要配慮者の入居を拒むことはできない等、いくつかの制限があるため、登録には慎重に検討する必要があるでしょう。
参考:貸主応援事業(補助金)|住宅セーフティネット制度(東京ささエール住宅)|東京都住宅政策本部
【東京都】マンション耐震化促進事業
#リフォーム分譲マンションの管理組合または賃貸マンションの所有者に対し、耐震診断・補強設計・耐震改修などに要する費用が助成される取り組みです。
補助内容や補助額は、区市により異なります。例えば千代田区の場合、耐震改修費用に対して、緊急輸送道路沿道では助成率が2/3となっております。
引用:千代田区マンションの耐震化促進助成制度のご案内
詳細は各自治体の公式サイトや区市町村役所にお問い合わせください。
参考:マンション耐震化促進事業(助成制度等)|東京都マンションポータルサイト
千代田区ホームページ - マンションの耐震化促進助成
【新宿区】省エネルギー及び創エネルギー機器等補助制度
#リフォーム新宿区は、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量を減らすために、「ゼロカーボンシティ新宿」を目指しています。そこで、省エネ・総エネ設備を設置・施工した方に対して、費用の一部を補助しています。
補助額は、一例を挙げると、集合住宅に太陽光発電システムを設置した場合、1kWあたり10万円が補助されます。
参考:令和7年度新宿区省エネルギー及び創エネルギー機器等補助制度のご案内(個人住宅・集合住宅・事業所):新宿区
【板橋区】板橋区宅配ボックス導入助成事業
#外構設備この補助金は、宅配ボックスの導入を支援することで、再配達を減らし、温室効果ガス排出削減を目的としています。区内に集合住宅を所有する方、または管理組合等が補助対象者となります。
補助額は、集合住宅に施工する場合費用の3/10、上限は10万円です。
参考:板橋区宅配ボックス導入助成事業|板橋区公式ホームページ
東京の賃貸アパート経営に使える補助金のまとめ
賃貸アパート経営を考える際、初期費用や改修費は大きな課題です。しかし、活用できる補助金制度が存在します。これらの補助金は、経営の負担を軽減し、より魅力的な物件づくりに貢献します。事前に情報を収集し、積極的に活用することで、安定したアパート経営を目指せます。この記事では「既存マンション省エネ・再エネ促進事業」などの一部の補助金をご紹介しました。「もっと補助金の情報を知りたい」「具体的な申請条件なども知りたい」という方はお気軽にお問い合わせください。

スマサテ不動産研究所所長 /
オーナー事業 責任者
土屋 壮史
大手IT企業で新規事業責任者を経て、現在はスマサテにてオーナー版査定事業責任者を務める。 大家の会での公演回数は累計100回以上をこなし、 年間2,000名以上のオーナーの問い合わせを受けている。 また自身も2代目大家として奮闘中。